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研究員コラム

トライアスロンとスポーツマネジメント

2009.02.04 02:24 AM | 投稿者:中島靖弘

トライアスロンとは

1974年、アメリカのサンディエゴで誕生したトライアスロンは、1978年にハワイで参加者15名の”アイアンマン”レースが行われたのをきっかけに世界中に広がり、1981年に鳥取県の皆生温泉で日本初の大会が開催された。現在では全国各地で約200のレースが開催され、国内の愛好者は20万人を超えるとも言われている。

最初に広まった”アイアンマン”は、水泳3.8km、バイク180km、ラン42.2km(計226km)と超長距離の設定だが、オリンピックで採用されているスイム1.5km、バイク40km、ラン10km(計51.5km)の設定は、オリンピック・ディスタンスと呼ばれ、2-4時間の競技時間ということもあり、この距離で行われる大会が最も多い。オリンピック・ディスタンスの1/2で行われるスプリント・ディスタンスは、ジュニアや初心者向けの大会などで多く採用されている。オリンピックでは、2000年のシドニー大会から正式競技として採用され、2008年北京オリンピックでは、女子のレースで日本人初の入賞(5位)を果たした。
トライアスリートの悩み

オリンピックに出場するためには、世界各地で開催されるシリーズ戦に出場し、世界ランキングをあげる必要がある。世界転戦をする資格を得るために日本国内各地で行われるシリーズ戦に出場し、好成績をあげる必要もあり、トップを目指す選手には、国内外の遠征が必須条件となる。

同じ個人競技である陸上競技とは違い、実業団チームは国内に2チームしかなく、選手は個人で活動するか、クラブチームに所属している。トレーニング時間が他の競技に比べ長いため、仕事やアルバイトをしながらの競技活動はとても難しく、遠征費を捻出するために、トレーニングの時間を削ってアルバイトをしている選手もいる。オリンピック種目とは言え、選手やクラブにスポンサーとなる企業も多くなく、スポンサー収入だけで十分な活動ができている選手は、国内では15人程度で、厳しい環境の中で競技力向上のための活動を行っている。

また、トライアスロンは、トップアスリートが出場するレースに、年代別(エイジグループ)のレースが設定され、毎年行われる世界選手権にも一般愛好者が世界各地から出場する。

トライアスロンは、参加費が小さな大会では15000円前後、大きな大会では35000円前後と高額であり、自転車やウェットスーツなど高額な機材も必要。また、公道を利用して行うため、都市部ではなかなか道路の使用許可がおりず、地方で開催されることが多いため、交通費や宿泊費もかかるため、トレーニングの時間の確保とともに、経済的にも負担も一般愛好者の悩みの種となっている。
地域の経済効果

しかし、逆に地方で人気の大会には、それだけの効果があり、毎年4月に沖縄、石垣島と宮古島で大会が開催され、宿泊が必要な大会ということもあり、2007年の大会では、参加者や関係者の参加費、交通費、宿泊、飲食だけでなく、大会に伴う生産の誘発、雇用所得者の消費活動などを含めた総合的な経済効果の試算で、双方に3億円以上の効果があったと発表されている。
競技力発展のために

サッカーやプロ野球と違い、クラブの主催試合はなく、ウェアにロゴを掲出してレースに出場し、それを見る観客やテレビ、雑誌への露出が中心となる。

日本のスポーツは、タレント的存在の選手がいるか、世界で活躍する選手がいる競技に人気が高まる傾向があり、やはり国際競技力を向上させ、多くの人に興味を持ってもらうことが、競技人口やスポンサーの広告効果を増加させ、競技環境を向上させることにつながると考えられる。しかし、国際競技力を高めるためには、国内外の遠征が必要となり、多額の費用がかかる。国際競技力向上のためには、知恵を絞ってゆかなければならない。

まずは、スポーツへの協賛に広告効果を一番の目的とする企業ではなく、企業イメージ向上や社会的貢献という立場から協賛を行う企業に応援してもらい、国際競技力の向上により人気を高め、競技人口や観戦者を増やすという流れを作る必要がある。

また、湘南ベルマーレトライアスロンチームが行っているように、一般愛好者を対象としたスクールや大会を主催し、選手へのスポンサーに、それらのイベントでの宣伝活動を付加価値としてつけているクラブもある。他のスポーツと同様に、大会(試合)の質を高め、多くの人が興味を持ってもらうために、様々な手法により、活動資金の獲得が必要となる。

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