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活動紹介

調査レポート大学とプロスポーツチームとの協働 によるスポーツクラブの運営

2009.07.17 07:27 PM | 投稿者:渡邉隆嗣

はじめに
2008年度は、本学が構想を 進めている大学とプロスポーツチームとの協働によるスポーツクラブ運営の先行事例について情報収集を行うと共に、本学で実施しているスポーツ教室「産業能 率大学 collaboration with 湘南ベルマーレ」参加者(同伴者を含む)にアンケート調査や聞き取り調査を行うことにより、本学が目指すスポーツクラブの方向性を探る活動を行った。

1. 大学とプロスポーツチームとの協働によるスポーツクラブ運営事例の視察
2008 年度については、大学とJ リーグクラブが協働して運営を行う以下のスポーツクラブを視察先として選択した。

①埼玉大学運動施設維持管理開放事業(埼玉大学/SARI 有限責任事業組合/ 浦和レッズ/ 大宮アルディージャ)
②学芸大クラブ(東京学芸大学/ FC 東京/ 小金井市)
1)埼玉大学運動施設維持管理開放事業(SARI)の視察
SARI とは正式には、SARI 有限責任事業組合のことを指す。現在SARI は、企業4 社からの出資金1,000 万円を元手に、埼玉大学のテニスコートの改修をした上で各種運動スクールや大会の実施、スポーツクラブ運営のコンサルティング業務を中心に活動している。 また、埼玉大学はSARI に対し、施設提供のほかスクール事業への指導者派遣等の人的支援も行っている。

埼玉大学(SARI)と浦和レッズ・大宮アルディージャとの提携
埼玉大学あるいはSARI と浦和レッズ・大宮アルディージャとの提携内容は、① 大学授業(スポーツマネジメント概論)への講師派遣と授業の一般開放、② 選手等の授業聴講制度の創設、③ 現在行なっている地域貢献活動への相互協力(ロボカップジュニアへのハートフルクラブスクール生の参加、大学開放イベントでのハートフルクラブによるサッ カークリニックの実施など)および④ 新たな地域貢献活動への取組み(レッズランドとの相互協力)などである。

SARI の大学教育への貢献
大 学教育への貢献案はいくつあるがSARI の活動は始まったばかりで、手探り状態の中での活動が続いており、その充実にはいまだ至っていない。大学教育への貢献案としては、① 授業・課外活動の充実、② 学生の社会参加(イベント等)および③ 公開講座「スポーツマネジメント概論」の学生聴講が挙げられていた。特に、② と③ に関しては、将来的には環境整備を行った上で単位として認める方向で調整を進めている。

2)学芸大クラブの視察
学芸大クラブは、健康で豊かな地域社会の創造を目指し、東京学芸大学、FC 東京および小金井市の協働によって設立された。3者の連携のキーワードは、「社会貢献」と独自性を活かし、共に高め合う「協働」である。そして3 者の協働により、スポーツ指導開発、スポーツ活動支援、スポーツサービスおよび文化活動を行う予定である。

東京学芸大学とFC 東京の提携
FC 東京は、東京学芸大学に対する寄付行為として、大学グラウンドはもとより、付属中学の校庭をも人工芝生化している。そして、これらの施設を利用して学芸大 クラブ「サッカー教室」の開催やFC 東京ジュニアユース「U -15 むさし」の活動をFC 東京が運営経費を負担して行っている。

学芸大クラブの大学教育への貢献
「U -15 むさし」の活動を対象に大学とクラブで以下のテーマに関する共同研究を行っている。①U -15 年代のサッカー指導のあり方に関する研究および②U -15 年代への適切な心身の発育と発達のサポートのあり方に関する研究。さらに、大学サッカー部員が「サッカー教室」や「U -15 むさし」の指導実践活動に参加し、指導法の研究と指導能力の向上を目指せる環境づくりを行っている。そして、この活動は学生がサッカーのC 級指導者ライセンスを取得するための講習としても利用されている。また、特色あるカリキュラムとして、FC 東京で普及活動の研修を2 週間行う「スポーツ施設実習」を履修した後に、「総合学習」でサッカー教室の企画・運営・指導実践・映像ドキュメント作りを行う授業が創出されている(単 位が認定される)。

2.産業能率大学 collaboration with 湘南ベルマーレ「スポーツ教室」アンケート調査

1)アンケート調査方法
2008 年7 月から2009 年2 月にかけて行われた6回のスポーツ教室にて、アンケート調査を実施した。アンケートの回答は、基本的には保護者に依頼したが、参加者が小学校5年生以上の 場合には、本人にも回答を依頼した。アンケート内容は、性別、年齢、居住地、大学までの交通手段、参加動機、情報源、実施希望種目に関する質問と自由記述 であった。アンケートは、6回のスポーツ教室に参加した延べ145 名(同伴者を含む)のうち99 名から回答が得られた(回収率68%)。

2)主なアンケートの集計結果

2008vol01-watanabe01.jpg 3)アンケート調査結果の考察

① スポーツ教室開催の情報源と参加地域
ス ポーツ教室参加者の情報源としては、87%の参加者がその他(口頭)を挙げていた。スポーツ教室の勧誘をチームや競技団体に向けて行ったのでこのような結 果となったものと解釈できる。しかしながら、今年度行った募集方法では広域からの参加者を見込める可能性は薄く、図2 に示した通り、本学のある伊勢原市近隣に限定されてしまう。参考までに行った、瑞木祭における「親子ふれあいサッカー教室」参加者へのアンケートでは、湘 南ベルマーレHP 上での募集であったにも関わらず少数ではあるが横浜市、相模原市、海老名市などの県央地域からの参加者があった。以上のことから、本学および湘南ベルマー レの更なる認知度向上という観点からすると、広域からの参加者が見込める開催日や種目、あるいは広報戦略を検討する必要があろう。

② スポーツ教室に期待すること
幼 稚園サッカー教室で保護者が回答した内容は、スポーツの持つ教育力への期待が多く寄せられていた。幼児期ということもあるが、大学が主催するスポーツ教室 という点で、教育的指導が求められていると解釈できる。こうした意見に応えていくことによって、教育中心大学としての本学が将来的な基盤の確保にもつなが ると考えられる。その一方で、学生がスタッフとして参加した場合、参加者の温かい眼がある反面、厳しい眼もあることを意識した上で学生指導を行う必要性を 感じた。
3. 今後に向けて
ス ポーツマネジメント研究所では、2009 年度も各月1 回ずつスポーツ教室を開催する。(6 月にフットサルそして7 月にはバレーボールの教室を開催。詳細は研究所HP 参照)。さらに2009 年度から、本調査の成果を反映させスポーツクラブの場を大学教育に活用する「スポーツマネジメントの実践」の授業が始まる。この授業は、学生がスポーツ教 室の広報や事前準備、当日運営などに参画し現場の活動を通じて実践的なマネジメント能力を高めようとする目的で行われる。そこで今年度は、この活動を分 析・検討し、大学とプロスポーツクラブの協働によるスポーツクラブの運営に関する研究をさらに進める予定である。

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